「メタ認知」の続きですが、少し復習を入れつつ書いていきます。
「メタ認知」とは、「自分自身を客観的に認知する能力」のこと。
自分の「アタマの中のヒト」が、自分の考え方や感情、行動を客観的に冷静に教えてくれて、自分を管理・調整・修正してくれる能力がメタ認知です。子供の学習能力、そして大人になってからの問題解決能力に、大変重要なチカラです。「子供の勉強」という視点から、メタ認知を掘り下げて3回目になります。自分自身のためにも、私なりに噛み砕いて、自分が理解できるような平易さを意識して書いていこうと思います。
●第一段階 【自分のことを知ること】 ~メタ認知的知識~
A1 「数学は苦手だけど、国語は得意だ」
B1 「人前で発表するのは苦手だけど、
コツコツひとりでもくもくと作業することは好き」
C1 「テストで、ここは簡単だったけど、ここは難しくて間違えてしまった」
など、まずは、自分自身について客観的に分析して得手不得手等を把握できていること。この俯瞰的自己分析・自己理解から次のステップに進む。
●第二段階 【自分は何故その状態なのかを知ること】 ~メタ認知的モニタリング~
A2 「自分はなぜ数学が苦手なのか、なぜ国語が得意なのか」
B2 「自分はなぜ人前が苦手で、なぜコツコツ作業が好きなのか」
C2 「テストでなぜ簡単で正解したところと、
難しく感じて間違えたところがあったのか」
第一段階の自己分析・自己理解を踏まえ、「なぜその状態なのか、自分の何が良くて何が悪かったのか」を客観的に考えること、現在の自分の状態に照らし合わせて確認していくこと。
上記の例はそれぞれ、
A2' 「数学の公式を覚えきっていないし、計算ミスが多いから
数学は点数が低くて、国語は小さいころから読書をしていて
文章を読むことに慣れているから得意だ」
B2' 「あがり症で人前は緊張するから苦手だが、
コツコツした作業は、自分は集中力があるほうだし、
自分のペースで周りを気にせずできるから好きだ」
C2' 「テスト勉強で理解できたところとそうでないところがあったし、
勉強した範囲外が出題されたから
簡単なところと難しいと感じたところがあった。」
このモニタリングによる自己確認も、子供が自分でできない場合は、親や教師が子供の発話を促すか、テスト後の振り返りワークシートなどでアウトプットさせるとよい。
●第三段階 【現在の自分の状況・問題を改善するための方法・工夫を考え、行動すること】 ~メタ認知的コントロール~
(第二段階の「メタ認知的モニタリング」と第三段階の「メタ認知的コントロール」を合わせて『メタ認知的技能』といい、第一段階の「メタ認知的知識」よりも高度で重要な能力です。)
A3 「数学の公式を声に出したり書いたりして覚えきろう」
「ミスした計算問題の類題を少し数多くやってみよう」
「国語の読解は得意だから他の科目の勉強に時間を割こう」
「でも漢字はもう少し丁寧に書いて、
とめ・はね・はらい も意識しよう」
B3 「みんなの前で発表することが得意な友達に、
緊張しないコツがあるかきいてみよう」
「得意な科目や、正解がわかったときは、
ちょっと勇気を出して手を挙げてみようかな。
そうすると緊張や発表に慣れてくるかも」
「コツコツした作業は得意だが、時間がかかる場合があるから、
より効率的にできる工夫を考えてみよう」
C3 「直前のテスト勉強だけで理解できて正解できたところもあったが、
理解できないままテストを迎えた問題や難しい問題は、
もう少し時間をかけるべきだった。
次回はもう少し前からテスト勉強を始めたり、
授業中に理解できるところとできないところ
を分類しておいて、その週のうちに復習してみたり、
それでもわからない問題は、
先生や友達に質問してみよう。
あと、テスト範囲は事前にしっかり確認しよう」
これらが「勉強が苦手な子供」ができないことなのだ。(っていうか、これが自然にできる子供はメタ認知力・非認知能力が非常に高く、そのまま見守ってあげたほうがいい。)
ここまで、メタ認知のプロセスを、私なりに噛み砕いて書いてみました。
簡略化するために3段階に分けてみましたが、5段階やそれ以上の分類もあります。
ちなみに、子供の例を大人に当てはめて考えてみては。勉強を仕事に当てはめてみたり。私自身にも当てはめて、よりメタ認知を深めていこうと思います。
私はこのブログを書いて、自分をアウトプットして「メタ認知」する訓練になっている気がします。
なので、安易だが思いつくのは「日記を書くこと」。そういえば小学校のころは、日々の出来事を書く「生活日誌」みたいなものがあったなあ。自身のアウトプット量を増やすことで自分を見つめ直せるのかも。親が子供に「今日、学校どうだった?」の問いかけって、結構大切なのかも。
今、私が考えるメタ認知力を高める対応策は、
①自分をアウトプットする量を増やすこと
②伴走者としての大人が寄り添って、
子供が自分でメタ認知できるようこっそりレールを敷いてあげること
③自分を認識するために、
他者との関わる環境に身をおくこと(習い事とかこれかなあ)
今後、やはり「勉強が苦手な子供」という視点からメタ認知を考察し、メタ認知できない子供への対応策を私なりに考えていきたいです。