「メタ認知」の続きです。
「メタ認知」とは、「自分自身を客観的に認知する能力」のこと。自分の「アタマの中のヒト」が、自分の考え方や感情、行動を客観的に冷静に教えてくれて、自分を管理・調整・修正してくれる能力がメタ認知です。「子供の勉強」という視点から、メタ認知を掘り下げて4回目になります。
今回は、子供がメタ認知ができているかを確認する方法について考えてみました。
以下の例は、できることならすべての学校のテストにおいてやってほしいと私が思っている「得点予想」です。メタ認知力、非認知能力の向上につながります。
学校でテストがあるとしましょう。テストの日までに勉強します。
そして、テスト当日、
① テスト開始前に何点取れそうか予想してみる
② テスト終了直後に何点取れそうか予想してみる
③ テスト結果が返ってきて、点数との差の理由を考える
① のテスト前の予想得点は、子供がテスト勉強した後、「自己判断で理解できている度合い」になります。例:80点 とすると、テスト前の勉強量や理解度はまあまあ良かったという「自己認識」です。
② のテスト終了直後の予想得点は、実際に受けたテストの内容を踏まえた後の自己認識です。例:60点 とすると、思ったより少し難しかった、とか、覚えきれていないことろがあった、理解不足の範囲が多く出題された、などの理由があると思いますが、この「20点」の差は何故なのか、という「理由を考えること」により、メタ認知ができます。
③ テスト結果が返ってきます。例:50点 とすると、②の点数よりも低く、メタ認知ができていなかったことがわかります。やはりここでもなぜ②の60点より10点低い50点だったのか、の「理由」を考えることでメタ認知を「修正」することができます。 例:②の時点では気づかなかった「計算ミスなどのケアレスミス」があった、などの理由が考えられます。
この②と③の点数の「差」が少なくなってくると、メタ認知力が向上してきて、自己認識ができてきたと判断できます。
以上を踏まえ、次回のテストに向けてフィードバックしていきます。まずは間違えた問題を解き直し、「理解できるレベル」まで突き詰め、ケアレスミスがないよう「反復練習」していきます。(非認知能力の「忍耐力」のトレーニング)
①と②の点数差を埋めるには、今回のテストの傾向を踏まえ、「問題を予測する、難易度を予測する」ことが必要になってきます。(非認知能力の「計画性・対応力」のトレーニング)
高得点を目指すことも大切ですが、「自分が予想したとおりの得点がとれる」こともメタ認知力向上のためには大切なプロセスです。
成績上位者を褒めるのもいいのですが、予想得点に対して「ピタリ賞」や「ニアピン賞」も、褒めてあげるといい気がします。
学校のすべての答案用紙に、「事前予想得点」欄、「テスト後の予想得点」欄もつけてほしいです。
そうすれば子供がメタ認知を意識するようになると思います。