昨年度版の世界幸福度ランキングのことを以前ブログに書いたので、今年のものもご紹介します。
2024年版の国連の世界幸福度ランキングが、「国際ハピネスデー」である3月20日に発表されました。
143か国中、1位は7年連続でフィンランドでした。
日本は51位で、前年の47位よりも下回りました。
G7(主要7か国)の中で最も低い順位です。
日本は若者(30歳未満)が73位、高齢者(60歳以上)は36位となっており、若者(30歳未満)の幸福度が高齢者より低いようです。
(1) 人口あたりGDP
(2) 社会的支援(困ったときに頼れる親類や友人がいるか)
(3) 健康寿命
(4) 人生の選択の自由度(人生の選択の自由に満足しているか)
(5) 寛容さ(過去1か月間に寄付をしたことがあるか)
(6) 腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗がないか)
の6項目の指標のうち、日本は例年、(1)(3)においては高い値を示しているものの、(4)(5)においては、かなり低い数値となっています。
今年もそうでした。
ボランティアや寄付の習慣は日本には根付いていませんし、労働環境におけるワークライフバランスは、他国に比べてまだまだ遅れをとっている、などが理由に挙げられると思います。
このランキングに使われている指標は欧米諸国の考え方中心のものですので、ランキング自体を悲観する必要はないのですが。
フィンランドは「子供に自立した移動能力を多く与えている国」として際立っている、という研究結果があります。
フィンランドの子供たちは7歳までに徒歩圏内を自由に移動したり、自転車で移動することも認められていて、8歳までには学校からひとりで帰宅したり、暗くなってからもひとりで外出したりする許可をもらえるようです。
さらに、9歳までには大多数が自転車で交通量のある道路をひとりで走行できるようになり、10歳になると大多数が路線バスで移動することが可能となるそうです。
フィンランドは、子どもにとって安全・安心な社会環境が整えられているようです。
地理的環境や文化、伝統の違いもあり、日本とフィンランドを単純に比較することはできません。
ただ、あれもこれも制約を設けるのではなく、子供が安全に冒険できる、「協力的な地域社会や環境」を、大人たちが築き上げていく必要がある気がします。
子どもを「可能な限り安全」ではなく、「必要なだけ安全」な環境の中で成長させることができれば、子供たちの「非認知能力」の向上にもつながる気がします。
WHOから発表された「World health statistics 2023」による国別の平均寿命ランキングでは、日本は1位(84.3歳)でした。
「長生きできる国」
であることもよいことですが、
「長生きしたいと思える国」
であったらいいなぁ、とも思います。