ふすまのスキマ

アクティブなとき、そうでないとき、ココロの心太(ところてん)

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【教育】調査結果★「親が子供に身につけさせたい力」上位は「非認知能力」

 学研さんが2024年2月28日に、
「家庭学習の実態と親の教育観に関する調査2023」
の結果を発表しました。

「子どもに身につけさせたい力」上位は「非認知能力」が多く、これまでブログで「非認知能力」や「メタ認知」をとりあげてきたので、今回の記事で、この調査結果のいくつかをご紹介したいと思います。

 また、「何のために勉強するのか?」の保護者からの回答結果もあり、前回のブログの内容とも関連します。

 「子どもに身につけさせたい力」上位は「非認知能力」

 1位「社会生活に必要な知識やマナー80.6%
 2位「人の意見を受け止めたり、自分の考えを適切に伝える力78.3%
 3位「様々な情報をうのみにせず、自分で考えたり判断する力78.0%
 4位「様々なことに関心を持ち、自ら調べたり学ぶ姿勢77.0%
 5位「自分独自の発想や創造力」66.4%
 6位「他者とかかわり、チームで協力しながら活動する力」65.7%
 7位「他者に頼らず、自らすすんで物事に取り組む姿勢」65.6%

 数値化できない力(非認知能力)が上位でした

 

 

 昨年より顕著な上昇率を示した「子どもに身につけさせたい力」1位~4位

 1位「社会・地域貢献51.8% ⇒ 57.5%
 2位「金融」40.4% ⇒ 45.2%
 3位「IT」39.1% ⇒ 44.1%
 4位「プログラミング」31.8% ⇒ 37.1%

 以上が、前年(2022年)調査より上昇率が顕著なもので、5~6ポイントアップしました。(上の画像の「緑の枠」 参照)

 

 「子どもの勉強・学習の目的 ~ 何のために勉強するのか? ~ 」1位~3位

 1位「様々なものに触れたり、いろいろな体験をする」62.5%
 2位「学校の成績よりも、本人の得意なことや個性を伸ばす」46.6%
 3位「学校の授業に遅れずについていくための勉強」46.2%

逆に低い項目は、
 「学校の成績(通知表)」
 「よりレベルの高い学校への進学」
でした。

 保護者の方の意識として、「受験は手段でありゴールではない。体験を重ねるために、個性を伸ばすために学んでほしい。」という傾向がみられました。

 

 

 子どもの勉強・学習において「どんなことが重要か?」

 1位「答えを知ることより、どうしてそうなるのか理由や根拠をじっくり考えること」76.8%
 2位「いったん遠回りしても基本の考え方や理論をきちんと理解すること」72.6%
 3位「頭で理解するよりも、実際に体験して感覚や技術を身につけること」54.1%

 学習プロセスや、主体的・探求的学習を重視する傾向がみられました。

 

 家庭での教育方針・子どもとの関わり

 1位「親の意見より、子どものやりたいことや向いていることを優先するべきだ」68.1%
 2位「子どもの学力・成績や進路、勉強の様子がいつも気になる」61.9%
  …
 4位「子どもだけに任せず、親がより良い方向性ややり方を示すべきだ」50.6% ⇒ 46.2%
  …
 8位「子どもの将来をイメージしている」34.1%

 

 

 保護者は、子どもの意志や興味があること、個性を尊重したいのですが、そこには「放任」ではなく、保護者の「迷い」が伺えます。子どもの個性や興味関心がつかみきれておらず、今の学びの延長線上に「子どもの将来像」がイメージしづらい、という「迷い」の傾向がみられます。

 

 …そうですよね。迷いますよね。いろいろわかんないですよね。子どもたちの将来も、自分たちの将来も。コロナやらAIやらなんやらで、世の中の変化のスピードについていくのに、今の生活を維持するのに、いっぱいいっぱいですよね。ほんとは、もっと子供の成長に関わっていきたいですよね

 この調査にあるような子どもの成長を学校や先生たちに期待したいところですが、正直、けっこうむずかしい気がします。学校の先生たちは、様々なタスクに追われ、多忙を極めていると思います。事務作業や部活動などの課外活動といった、教える以外の仕事量も多いでしょうが、ゆとり教育が終焉し、学習指導要領が改訂され指導内容が増加・難化する中で、コロナ禍になり、あっという間にオンライン授業やAIの進化などで、世の中の変化のスピードに対応しきれていない気がします。また、子どもへの接し方・保護者への対応などは、かなり気を遣う必要があり、指導者の心理的安全性」が保たれていない気がします。

 そのような教師たちを子供たちは見ています。「大人って忙しそうだな。」「なんか不安そうだな。」「生徒や親に気を遣うことが多くて、先生という職業にはつきたいと思わないな。」「仕事量と給料が見合ってなさそうだな。」

 私は教師ではありませんが、子どもたちの成長に多大な影響を与える「保育園・幼稚園~小学校~中学校~高校の先生たち」の心身の疲労が心配になります。やはり心身ともにできるだけ健康な状態で、先生たちには子どもたちの成長に関わってほしいのです。子どもたちの「学びの成長」のいちばん大切な時期に、いちばん近くで、いちばん多くの時間を過ごすのは先生たちなのです

 (以下、身勝手な提案を3つさせていただきます。関係者の方がいらっしゃいましたらお気を悪くなさらないでください。素人考えのたわごとです。すみません。教育関係者の方々もご多忙なのは存じ上げておりますし、子供たちの成長を願っているのも重々承知しております。)

 身勝手な提案1:次の学習指導要領改訂で、各教科の指導すべき学習項目をもう少し、減らし、それぞれの項目を深く探求して学べるようにしてもいいのでは。教師に「時間的ゆとり」と「精神的ゆとり」があれば、子どもと接する時間が増え、上記のような保護者が期待する子どもの成長にもっとつながる気がします。世の中の変化のスピードに対応するための「先生たちが学ぶ」時間と、「ココロのゆとり」が必要です

 身勝手な提案2:教師の待遇面(給与面含む)も、もう少し配慮があるといいと思います。先生たちの「心理的安全性」も保たれる職場環境や社会的地位も必要だと思います。子供たちの「将来なりたい職業」のベスト10に入るぐらい、教師が生き生きと授業し子どもたちと真の笑顔で接することができるといいと思います。子供たちが将来教師を目指すようになれば、「先生ってカッコいいな」と思えるようになれば、全国の先生の数も増えて、より日本の教育が豊かになる気がします。

 身勝手な提案3:入試制度を中心としてまわっている今の日本の教育体系を変えてほしいです。大学入試もセンター試験から共通テストに変わったものの、内容はさらに「制限時間付き情報処理コンテスト」みたいになってしまっている気がします。英語なんか特に。入試、とりわけ大学入試までに覚えるべき学習項目も減らしていいと思います。その代わり、それぞれの項目を深く探求して。
 今の日本の入試制度が、子どもたちの学習・成長に大きく影響を与えています。入試制度中心の教育体系を見直せば(すこしずつ変わってきています)、学びへの意識が変わるはず。上の調査結果にあるような「非認知能力」を伸ばせるような学習体系を組める気がします。

 教育は大切です。

shufrieren.hatenablog.com