【幸せとは】3月「世界幸福度ランキング」を前に、日本人の「不寛容さ」項目は改善されるのかを考える。
日本人のマイナス評価項目は
「他者への寛容さ」
毎年3月に、国別の「世界幸福度ランキング」が発表される。今年もそろそろだ。
昨年の2023年版世界幸福度ランキングで、日本の順位は137カ国中47位。2023年版は2020~2022年の3年間の平均値で、全期間コロナ禍の調査結果だった。2015年まで40位台推移した日本の順位は、その後下がり続け、2020年に過去最低の62位まで下がった。
しかし、その後のコロナ禍にもかかわらす、2023年(2020~2022年)は47位と15位も順位を上げた。
コロナ前と比べて日本人の幸福度は上がったのだ。
しかも2021年、2022年、2023年と、3年連続で上昇したのだ。
以前、「ハーバード大学」の幸福に関する研究結果をブログで書いた。
『幸せとは、同じ志をもつコミュニティの中で、頼り頼られ生きること』
ハーバード大学が長年にわたり研究してきた結論だ。
幸福は、『良好な人間関係(人とのつながり)』につきるらしい。
コロナで緊急事態宣言が出され、それまで当たり前だった自由がなくなり、制約やしがらみの中で生活した日本人は、その後徐々に制約が解除され自由を取り戻しつつある中で、
『当たり前のことが幸せ』
に気が付き始めた。そして、
『人とつながることができる幸せ』
にも気が付き始めた。その結果、コロナ禍にもかかわらす3年連続で幸福度ランキングが上昇したとも考えられる。
温かみや愛情を感じられる「人とのつながり」を築く上で必要なことは、自分と考え方や状況が違う人たちに、どれだけ共感や理解を示すことができるかという「ココロの寛容さ」だ。
「世界幸福度ランキング」における幸福度を測る主な6つの指標(「1人当たりGDP」「社会的支援」「健康寿命」「人生の選択の自由度」「他者への寛容さ」「腐敗の少なさ」)のうち、「一人当たりのGDP」、「社会的支援」、「健康寿命」においては日本は毎年上位国と差がない。
しかし、「人生の選択の自由度」と「他者への寛容さ」の順位は低い。客観的指標は高いが、主観的指標は低いとも言える。
特に「他者への寛容さ」は際立って低い。
「立場や意見の違い」に対して理解を示し合う「他者への寛容さ」って大切だ。
「分かり合えない」から、相手を非難・排除するのではなく、
『「分かり合えないこと」を「分かり合おう」』
っていう気持ちになれるといいなぁと思う。
「相手とは違う」っていう前提のもとに、
「お互い考えが違うね。でもここは共感できるよね。」
って寛容できる部分を探していける「ココロの余裕」
が持てるといいなぁと思う。
今回コロナ禍の厳しい状況でも、なんとか切り抜け生活を維持できたことに、ココロのどこかで感謝して、他人とのつながりの大切さをあらためて実感し、他人を許せる寛容なココロが少し増した結果、そのおかげで自分も幸せと思えるようになったのかもしれない。
平穏無事な生活を脅かされ、それまで幸福に無関心だった日本人の意識が高まり、「幸福とは何なのか?」「より幸せになるためには?」と少し考えるようになったのかもしれない。
日本社会は、個人の選択や表現の自由、他者とのつながり、コミュニケーション、他者への共感を促進するために、
より多様性を受け入れやすい文化や制度の「再構築」
が必要になってきているのでは。
「世界幸福度ランキングは」、欧米中心の指標のため、アジア諸国は順位が低めなのは承知している。それに、日本社会の伝統や文化、制度、価値観、も考慮すると、他国と単純比較はできないのは承知している。しかし、3月に発表される幸福度ランキングで、日本の順位が4年連続上昇するのか、そして、「不寛容さ」項目が改善されるのか、は、私の関心事のひとつだ。